そもそも何が違うのか

不動産投資では「利回り」と「ROI」という2つの収益指標がよく使われます。 どちらも「%」で表しますが、見ている「分母」が根本的に異なります。

利回り(表面・実質)
年間収益 ÷ 物件価格 × 100

物件そのものの収益力を示す。ローン返済・レバレッジは考慮しない。

ROI(投資収益率)
年間手残り(CF) ÷ 自己資金 × 100

自己資金(頭金+諸費用)に対する収益率。ローン返済・レバレッジを含む。

利回りは「物件がどれだけ稼げるか」、ROIは「自分が出したお金に対してどれだけ稼げるか」を表します。 同じ物件でも頭金の金額によってROIは大きく変わります。

具体例で見る違い

3,000万円の物件、月額家賃12万円、頭金600万円(諸費用120万円)、金利1.5%・35年ローンを例に比較します。

年間家賃収入(満室) 144万円(12万×12ヶ月)
表面利回り 144 ÷ 3,000 × 100 = 4.8%
年間ローン返済額(概算) 約92万円(借入2,400万円・金利1.5%・35年)
年間CF(管理費・修繕費等考慮後) 約30万円(概算)
投下自己資金 720万円(頭金600+諸費用120)
ROI 30 ÷ 720 × 100 = 約4.2%

この例では表面利回り4.8%に対してROIは約4.2%です。 もし頭金を300万円に減らすと借入が増えてローン返済も増えますが、分母の自己資金も600万円(+諸費用)と小さくなるため、 CFが確保できればROIは上昇します。

利回りとROIの使い分け

確認したいこと使う指標理由
複数物件の収益力を大まかに比較したい 利回り ローン条件が異なっても物件自体の収益力を同条件で比較できる
自己資金の効率(レバレッジ効果)を確認したい ROI 頭金を変えたときの収益率の変化を確認できる
毎月・毎年の手残りを把握したい CF(額) ROIは率なので絶対額はCFで確認する
投資全体の判断をしたい 3つ全部 1つだけでは見えない側面がある

ROIと利回りの両方をシミュレーターで同時に確認できます。頭金・金利を変えながら比較してみましょう。

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よくある質問

ROIと利回りはどちらを重視すべきですか?

用途が異なります。利回りは物件の収益力を大まかに比較するためのスクリーニング指標、ROIは実際の資金調達方法(頭金・ローン)を含めた自己資金の効率を測る指標です。物件の収益力を比較したいときは利回り、自己資金をどれだけ効率よく使えるかを確認するときはROIを使います。両方確認するのが理想です。

利回りが高くてもROIが低いことはありますか?

あります。頭金を多く入れると借入が減りローン返済が軽くなりますが、自己資金(分母)が増えるためROIは下がります。逆に頭金が少ないとROIは高くなりますが、ローン返済が重くなりCFがマイナスになるリスクも高まります。利回りとROIはトレードオフの関係を持つ場合があるため、両方の数値を確認することが重要です。

※ 本記事の数値はあくまで参考値です。投資判断はご自身の責任において行ってください。